テレビ東京 ・ガイアの夜明け 「どん底から這い上がれ」放映の間題点

豊島民商・ひまわり道場は、2006年6月13日、テレビ東京「ガイアの夜明け一どん底から這い上がれ」に、多重債務に苦しむ鶏肉輸入業者・スリーウッドの再生を手がける内容で放映されました。
しかし、放映された内容は、ひまわり道場の活動が犯罪的であり、社会的問題を公器のテレビに映し出してしまいました。
今回の放送は、セントラル総研(代表は講談社現代新書[事業再生と敗者復活]著者・八木宏之氏=番組にも登場)が手がけた青森市のシテイホテルの再生と、ひまわり道場が関わった鶏肉輸入販売業者・スリーウッドの再生が対比されています。
青森市のホテルは、創業37年で従業員163人。借り入れは地方銀行から20億円。食中毒を機に経営が傾き2年前から銀行管理となるが、経営がさらに悪化。銀行が大手ホテルチェーンへの売却を図り、従業員の士気が落ちています。
ホテルの2代目経営者(38歳)からコンサルタントを依頼されたセントラル総研は、ホテルの決算状況を分析(番組では「どぅ再生するか、作戦会議です」と紹介)。さらに専門家をホテルに派遣し、事業内容を精査しています。(客室が狭い、茶室の活用をなどとアドバイスするシーン)。
では、同ホテルはなぜ再生可能なのでしょうか。実は制作者も理解していないため番組に明示されていないのですが、同ホテルは年50OO万円ほどの営業利益があり、借金の重荷を下ろせば十分経営が成り立つからだ(セントラル総研の話による)。それは、社長が社員への説明会で、「銀行から今は借りていない。給料はみなさん(社員)の頑張りで稼いでいる」と言っているとおりだ。つまり事業がきちんと成り立ち、キヤソシュフローがあることが再生可能性の根拠となっているのです。
セントラル総研泣それを基礎に、サービサ一に債権譲渡すれば銀行が、不良債権を無税償却できる制度を活用して債務と担保をバランスシートから外し(オフバランス化)、事業を担う新会社を立ち上げ、軌道に乗ったらホテルを買い戻すといぅスキームを提案している。
オーソドックスで合理的な提案といえるのです。
一方、ひまわり道場に駆け込んだスリーウッドは、創業8年で従業員はハンさんという中国人男性のみです。年商20億というが、この半年はハンさんに給与を払っていません。
銀行、商工口一ン、サラ金に計1億円の借金があるうえ、O5年3月にヤミ金に手を出し、一時はヤミ金5社にI20O万円借りていたのです。
「どうしても会社をつぶしたくない」女性社長は、ひまわりに駆け込んできますが、櫻井俊一氏が電話してヤミ金と交渉し、翌日、社長が取引先から借りた金をひまわり道場に持参、ヤミ金に元本を返済し、かわりに通帳や権利証を取り戻したりします。
荒れ果てたマンションに久しぶりに戻る社長。ここを売却して商工口一ンなどを返済し、
銀行に融資を申し込みます。最初は5 0 O万円しか融資できないと言われたが、次に泣5000万円の融資を獲得できた。
社長に満面の笑みが浮かぶ と言う内容です。

①弁護士法上問題のある行為
問題なのは、ひまわり道場では、決算書も事業内容も調査していません。同社の再生可能性はまったく、不明なまま、倒産という選択肢を排除し、取引先から借金をしてまでヤミ金に払うのがまずおかしいのです。取引先からの借金がムダになる恐れが高いからです,またこの頃弁護士は闇金撲滅のため、闇金に支払うのを拒否する戦いを進めていたのです、そのような社会的背景がある中で闇金に支払うシーンを放映することはテレビ東京はあまりに軽率であり、闇金撲滅のためにたたかっている弁護士たちの働きに水を差す行為です。
弁護士が受任すれば通常ヤミ金には元本も払わないから(不法原因給付で支払い義務なし)、ヤミ金にとってひまわりはありがたい。
ひまわり道場は、やみ金となれあっていると見られてもおかしくありません。
また、松林氏が札束を数えてヤミ金に渡しているシーン、櫻井氏が社長本人にかわってヤミ金と交渉しているシーン、民商事務所がヤミ金の交渉場所となっているシーンなどは、社長から代価 (会費やカンパ)を受領しているとすると、これは弁護士法72条にふれる非弁行為にあたります。樋山裁判の中で櫻井はカンパを受け取ったことを証言しています。ジンネットは何を調査して番組を作ったのでしょうか?
ひまわり道場は、専門家を遠ざけ、我流で債務整理をおこなってきました。その結果、相談者はヤミ金 (犯罪者集団)に返済するために、身内や友人、知人からお金を借りる羽目になり、被害がさらに広がりました。テレビでは過去の放映でも今回の放映でもこのことを鮮明に映しだしています。

②粉飾決算による融資獲得の疑い
また、同社が500O万円借りられたのも、通常考えられません。中古マンションを売却してもすぐに1億円の債務が消えるとは考えにくく、同社は債務超過のはずです。
給与も払えなかったのだから赤字決算だろう。債務超過で赤字なら、銀行は貸さない。にもかかわらず借りられたとすれば、同社が決算を粉飾し、銀行が見破れなかったと推察されるのです。さらに、ひまわり道場の指導により、その他にも銀行2社から5000万円づつ、粉飾決算で、銀行からお金を引き出しているのです。
民商は、融資の運動を続けてきています。運動上で、銀行に交渉して、融資を受けられるようになったことは、全国でも数多くあります。しかし、銀行や金融機関をだまして、お金を引っ張り、税務所にもうその申告をしていることが、分かればこれまでの日商の連動で勝ち取ってきたことも否定されます。
最後に三浦社長が、通帳を広げて 「融資が受けられました」というシーンは、通帳の色でどこの銀行なのか検討がつき、もし、銀行の関係者が番組を見ていたら、融資を取り消されてもおかしくありません。
また、商工口一ンなどの債権者たちが、見ていたとしたら、すぐに、差し押さえなどの攻撃をされるでしょう。
こういう例は、裏技をテレビで放映することで、本来、隠すべきことでした。

不法行為を行っているひまわり道場の正体が豊島民商であったことが視聴者に明らかになったこと
ひまわり道場はヤミ金に元本を返すという独自の債務整理を行っているが、それは弁護士法上の問題があります。中小企業の事業再生はできていないし、その前提となる決算や事業の精査さえしていません。
スリーウッドの半年に及ぶ給与未払いは明らかに違法であり、粉飾による融資獲得の疑いも濃厚です。
前回までは、豊島民商の看板などは、ぼかしが入っていましたが、今回の放送は、豊島民商の看板がしっかりと映っており、こうした不法行為をおこなっているひまわり道場の正体が豊島民商だったということが視聴者に明らかになってしまいました。
ひまわり道場は過去ⅠⅠ回に渡り、マスコミによつてとりあげられました。その内容に共通しているのは、法律に触れる行為を 「多重債務者の救済」の名を借りて、扇情的に描かれることによって、まるでそれが、正当な行為であるかのような幻想を抱かせていることです。
ひまわり道場は視聴率至上主義のマスコミにとって格好のネタであり、長谷川会長らはこれを拡大とカンパ集め、知名度のために大いに利用してきました。テレビをみて、全国からたくさんの方が、ひまわり道場に集まり、被害者を増大させてきました。しかし、視聴者はだませても、専門家から見ればこれは明らかに違法行為であり、現に対策弁護団などからも 「危ない (法律違反な行為)」と指摘されてきました。
このことを憂慮した船坂氏は、この放映をやめさようと努力し、そのことを理由に除名処分されました。しかし、これらを考慮すれば、船坂氏の処分はまったく不当と言わざるを得ません。同時に多重債務問題では第1人者と言われる宇都宮弁護士を一緒に出演させ、宇都宮弁護士をひまわり道場を指導しているかのごとくえがかれていますが、宇都宮弁護士は、民商のことは、多重債務解決運動のなかでともにたたかう仲間として、良心的に受げ入れてくれていました。しかし、豊島民商・ひまわり道場に 「特A」というカラクリや金銭授受、「中抜き」などの行為があることをまったく知らず、放映全体の姿も知らされないまま、テレビ局からのインタビューに答えただけなのです。それをジンネットは、豊島民商がまともな運動体で不正なことはしていないとの判断の材料に利用したのです。
これらのテレビ放映により、豊島民商の執行部により不法行為の隠蔽のために、それを使って、一連の疑惑をもみ消そうとしたことで、中小企業の事業再生についての不見識をされけ出してしまいました。
いずれにしても、多くの違法疑惑にまみれた「豊島民商・ひまわり道場」を称賛する番組を放映したテレビ東京の社会的責任は重いと思います。

                                            匿名希望


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